

ハギ(萩)の育て方|7月〜9月の茶花に使える開花時期と水揚げ
ハギ(萩)は、7月から9月ごろに咲く夏から秋の茶花です。 日当たりと水はけのよい場所なら地植えで育てやすく、広がりを抑えれば鉢植えでも楽しめます。 茶席では、紫紅色の小花と三枚の小葉がつく枝を少なく入れると、秋草らしい風情が出ます。
「ハギとヤマハギは同じものか」「庭に植えて大きくなりすぎないか」「切った枝の水が下がらないか」。 気になるのは、このあたりではないでしょうか。 ここでは、日本の山野に広く見られるヤマハギを中心に、ハギの育て方、開花時期、水揚げ、茶席での使い方をまとめます。
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ハギはどんな茶花?

「ハギ」は一種類だけの名前ではなく、マメ科ハギ属の植物を広く指す呼び名です。 茶花や秋の七草として「ハギ」と言う場合は、ヤマハギなどの自生種が念頭に置かれます。 一方、園芸店では枝が大きく垂れるミヤギノハギもよく流通しています。
ヤマハギは、日本各地の山地の草地や林縁に生える落葉低木です。 葉は三出複葉といい、一枚の葉が三枚の小葉に分かれて見えます。 葉よりも長く伸びた花序に、マメ科らしい蝶形の小花が連なるのが特徴です。
茶席では、花の色だけでなく、細い枝の流れと小葉の重なりも見どころになります。 花房をたくさん残すより、枝先の動きが見える程度に整理すると扱いやすい茶花です。
- 和名:ヤマハギ(山萩)
- 学名:Lespedeza bicolor
- 分類:マメ科ハギ属の落葉低木
- 別名:ハギ(萩)
- 花期:主に7月から9月ごろ
- 主な分布:日本各地、朝鮮半島、中国など
- 自生環境:山地の草地、日の当たる林縁
ハギの育て方

ハギの育て方で大切なのは、日当たり、水はけ、そして枝が広がる余白です。 丈夫な低木ですが、日照が少なすぎると枝が間伸びし、花数も減りやすくなります。 茶花用に自然な枝を取りたい場合は、肥料を効かせすぎず、風が通る場所で育てます。
置き場所
地植えは、日当たりのよい場所が基本です。 明るい半日陰でも育ちますが、花付きを優先するなら、少なくとも午前中に日が当たる場所が向きます。 枝は種類によって大きく弓なりに広がるため、通路際より、枝先が伸びる空間のある場所を選びます。
鉢植えは、鉛の軽さより安定性を優先します。 枝が伸びると風の影響を受けやすいため、しっかりした深めの鉢に植えると安心です。
用土
水はけのよい土なら、特別な配合は必要ありません。 地植えで水がたまりやすい場所は、腐葉土を混ぜ、苗の根元が周囲より少し高くなるように植えます。 鉢植えは、市販の花木用培養土、または赤玉土小粒7に腐葉土3程度の配合が目安です。
水やり
地植えは、根付いた後は極端に雨が少ない時を除き、頻繁な水やりは必要ありません。 植え付け直後と真夏の日照りが続く時は、土の中まで乾いていないかを確かめます。 鉢植えは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまで与えます。
肥料
地植えで十分に育っている株には、多くの肥料は必要ありません。 肥料が多いと枝葉が茂りすぎ、茶花に使いたい細やかな枝姿が崩れることがあります。 生育が弱い場合は、花後か落葉期に緩効性肥料を少量与えます。
剪定と植え替え
ハギはその年に伸びた枝に花が付くため、剪定は落葉後から春の芽吹き前に行います。 根元から伸びた古い枝、枯れ枝、交差する枝を付け根から外します。 株を小さく保ちたい場合は、冬の間に地際から数十センチまで切り戻す方法もあります。 ただし、茶花用の柔らかい枝の流れを残したいなら、毎年すべてを同じ長さに切らず、古枝を間引く剪定が向きます。
鉢植えは2年に1回程度、春の芽吹き前を目安に植え替えます。 根を強く乾かさないようにし、一回り大きな鉢へ移すか、根と枝の量を調整します。
ハギの開花時期

ヤマハギの開花時期は、主に7月から9月ごろです。 寒冷地や標高の高い場所、暖地の庭など、地域と種類によって咲き始めは前後します。 ミヤギノハギは8月から10月ごろまで花が残ることがあります。
「秋の七草」ですが、現在の暦では真夏から咲き始めることも珍しくありません。 茶席に使うなら、花が枝一面に咲いた時より、蕾と咲き始めの花が混じる枝が扱いやすいと思います。 落花した花が多い枝は、席入り前に軽く整えます。
ハギの水揚げ方法

ハギは細い枝に花と葉が多く付くため、切ったままにすると葉から水分が抜けやすい花材です。 基本は水切りと深水です。 枝元が木質化して硬い時は、根元に浅く割りを入れると水を吸いやすくなります。
水揚げの手順
- 朝か夕方の涼しい時間に、蕾と咲き始めが混じる枝を切ります。
- 花入の水に入る部分の葉と、重なりすぎた葉を外します。
- 水の中で枝元を斜めに切り戻します。
- 硬い枝は、切り口から1センチほど縦に割りを入れます。
- 花や葉に水をかけず、枝元を深めの水に1〜2時間入れ、涼しい場所で休ませます。
- 水が揚がったら、落ちかけた花と傷んだ葉を外し、花入の高さに合わせて切り戻します。
葉がしおれた時は、すぐに多くの花房を外すより、まず切り戻しと深水を試します。 それでも戻らない枝は、葉の量を少し減らすと水分の消耗を抑えられます。
茶席でのハギの使い方

ハギは、花だけを見せるより、枝の流れと葉の重なりを含めて秋の野山を感じさせる茶花です。 枝が長いからといって必ず高く使う必要はありません。 枝先が花入の口元から自然に弓なりに流れるように向きを決めると、一枝でも景色ができます。
正面に花房が重なる時は、全部を残さず、後ろ向きの花房や内側に入る細枝を整理します。 葉も同じです。 三枚の小葉をすべて外すのではなく、花の顔を隠す葉と、花入の縁に触れる葉から整えます。
ススキなどの秋草と合わせる時は、両方を同じ高さで広げないことが大切です。 ハギの枝を主にするなら、合わせる草は少なくし、花と花の間に余白を残します。
合わせやすい花入
- 細身の竹花入
- 籠花入
- 土物の控えめな壁掛け花入
- 枝の線を受け止める深めの焼締花入
ヤマハギの立ち上がる枝は細身の花入に、ミヤギノハギの垂れる枝は籠や壁掛けに合わせやすいです。 器の種類よりも、枝の重さで花入が傾かないこと、枝元が中で安定することを確かめます。
ハギに似た花との違い

ハギの苗は、「ハギ」という大きな名前で売られていることがあります。 茶花に使う時は、咲き姿だけでなく、枝が立つか垂れるかも選ぶ手掛かりになります。
| 比較項目 | ヤマハギ | ミヤギノハギ | マルバハギ | シラハギ |
|---|---|---|---|---|
| 枝の姿 | 比較的立ち上がる | 長い枝が大きく垂れる | 枝はやや立ち、花序が短い | ミヤギノハギに近い枝姿 |
| 花の特徴 | 葉より長い花序に紫紅色の花 | 紫紅色の花が多く、華やか | 花序が葉より短く見える | 白花 |
| 主な花期 | 7月〜9月ごろ | 8月〜10月ごろ | 8月〜10月ごろ | 8月〜10月ごろ |
| 茶席での印象 | 山野の自然な趣 | 垂れる線が柔らかい | 小ぶりで野趣がある | 明るく静か |
| 選ぶ時の注意 | 立ち枝を取りやすい | 庭で幅を取る | 花が葉に隠れやすい | 花色の違いが明確 |
茶花にどれが正しいと一律に決めるより、使いたい花入と、庭で確保できる幅で選ぶのが実用的です。 自然な立ち枝が必要ならヤマハギ、垂れる柔らかな線を使いたいならミヤギノハギが向きます。
秋の茶花として一緒に使いやすい花

ハギと同じ時期に咲く花を知っておくと、8月から9月の茶席で取り合わせを考えやすくなります。
ハギの紫紅色に、黄金色の細い花穂を少し足したい日に。

秋の七草同士を取り合わせ、淡い藤色を重ねたい日に。

日陰の茶席に、斑点のある小花で秋の深まりを加えたい日に。

細い枝姿と花穂を対比させ、夏の名残りを見せたい日に。

秋の茶花をまとめて見たい場合は、茶花の開花期一覧 も参考にしてください。
まとめ

ハギは、7月から9月ごろに小さな蝶形の花を咲かせる、夏から秋の茶花です。 日本の山野に広く見られるヤマハギは比較的丈夫で、日当たりと水はけを確保すれば、地植えを中心に育てやすい低木です。
茶席では、花房を多く見せるより、細い枝の流れと三枚の小葉を生かします。 一枝の向きを決め、花と葉の重なりを少し整えると、秋草らしい余白が生まれます。
切り花にする時は、涼しい時間に切り、水中で切り戻してから深水します。 硬い枝元に浅く割りを入れ、葉の量を整えておくと、茶席でも扱いやすくなります。
苗を選ぶ時は、「ハギ」という名前だけで決めず、品種名と枝姿を確かめてください。 ヤマハギの立ち枝とミヤギノハギの垂れ枝では、庭での広がり方も、花入に入れた時の景色も変わります。


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