
ヤブカンゾウ(ツルボラン科)多年草 🌿🌸✨
多年草で、丈は1メートル内外。葉は広線形で二列になって互生し、鮮緑色で葉先は下垂している。花は黄赤色で直径約10センチ、内側に沢山ある花びらは、雄しべが分化して八重咲きになったものである。近似種に六花弁のノカンゾウがある。
藪や土手など適湿の野地に群生し、高さ 80 cm 前後に伸びた花茎の先に直径 7–8 cm の橙赤色の八重花を次々と咲かせます。一日花ですが蕾が多数控えているため株全体では 2 週間以上楽しめるのが魅力です。
ヤブカンゾウとは 🌿🌸✨
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Hemerocallis fulva var. kwanso |
| 分類 | ツルボラン科(旧ユリ科)ワスレグサ属/多年草 |
| 別名 | カンゾウ、ワスレグサ |
| 花期 | 7 – 8 月 |
| 原産地、分布 | 中国原産、日本では北海道〜九州の野原、林縁、道端、藪陰、田の畔。 |

三倍体で結実せず、匐枝で拡がるため群生が見られます。葉は幅 2.5–4 cm の広線形でアーチを描き、橙の八重花が茂みに浮かぶ姿は華やかかつ野趣に富みます。萼筒は約 2 cm、雄しべ・雌しべが弁化してボリュームたっぷりの花形になるのが特徴です。
ワスレナグサ(勿忘草)と名前は似ていますが別種です。
茶花のポイント
- 橙の花色は強いため、蕾〜半開を用いると柔らかい印象に。
- 下垂しない直立の花茎は床の間でも扱いやすく、夏の席に元気な彩りを添える。
- 一日花ゆえ、朝採取し夕刻の席で使うくらいが最適。
近似種との違いは? 🌿🌸✨
| 比較項目 | ヤブカンゾウ<br>H. fulva var.kwanso | ノカンゾウ<br>H. fulva var.fulva | ハマカンゾウ<br>H. littorea |
|---|---|---|---|
| 花形 | 八重咲き(雄雌しべ弁化で重厚) | 一重咲き | 一重咲き |
| 花径 | 7–8 cm | 6–7 cm | 6–7 cm |
| 花色 | 橙赤 | 橙(赤味強) | 濃橙〜赤橙 |
| 開花期 | 7–8 月 | 6–7 月 | 7–9 月 |
| 生育地 | 藪・湿り気のある土手 | 里山・畦道 | 海岸の砂地 |
| 結実 | ×(三倍体・不稔) | △(まれに結実) | ○ |
栽培のコツ(原種・園芸種共通) 🌿🌸✨
用土は腐触質にとみ日当地の排水の良い所なら何処でも良い。水は普通に施す。株分けは晩秋に行う。2~3芽を一団として割る。鉢植えは大鉢に地表一杯に株を植え付けると、豪華で良い。
この若芽を茹でて、和物、卵綴じ、薄味の煮物にすると、歯ざわりがよく美味しい。
また花の二杯酢や煮物も美味しい。
花期は違うが良く似た毒草にキツネノカミソリがある。
- 植え付け
- 3–4 月/10–11 月。赤玉土6:腐葉土4など肥沃で水はけの良い土。
- 置き場所
- 日向〜半日陰まで順応。夏はやや湿り気のある場所を好む。
- 水やり
- 庭植えは降雨で十分。鉢植えは表土乾いたらたっぷり。過湿は球根腐敗の原因。
- 肥料
- 3 月と 10 月に緩効性肥料を少量。鉢植えは生育期に月 1 回追肥。
- 剪定(花後)
- 開花茎を根元で切除し、光合成葉を残して球根充実を図る。
- 繁殖
- 株分け:休眠期または早春に肥大根を 3–4 本ずつ分け植える。種子繁殖は不可(不稔)。
- 病害虫
- アブラムシが蕾に発生。発見次第水流で除くか薬剤で駆除。耐寒 –10 ℃程度。
切り花としての扱い(水揚げ) 🌿🌸✨
| 水揚げ法 | 備考 |
|---|---|
| 水切り+深水 | 切り口を水中で斜め切りし、そのまま深水で 1–2 h。次蕾の開花を促す。 |
| 条件付き利用 | 花は一日で萎むため、茶席では蕾付きの茎を短時間鑑賞用に使うのが一般的。結実しないため花粉飛散の心配は少ない。 |
(注)入手翌日以降は花が次々に開くが鑑賞時間が限られるため、朝いけて夕方席が終わるまでの利用がおすすめです。

8. まとめ 🌿🌸✨
ヤブカンゾウは八重の橙花が野趣と華やぎを兼ね備え、真夏の茶席に生命力を届ける山草です。三倍体で結実せず手間が少なく、株分けで容易に増殖。**「蕾を活けて一日で楽しむ」**という一日花ならではの使い方を押さえれば、涼しげな葉姿とともに席を彩ってくれます。
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