ミヤコワスレの育て方|5月の茶花に使える都忘れの開花時期と水揚げ

ミヤコワスレアイキャッチ画像1 茶花

ミヤコワスレ2

ミヤコワスレは、4月から6月に咲く春から初夏の茶花です。 強い日ざしを避け、明るい半日陰で育てると、庭植えでも鉢植えでも扱いやすい花です。 茶席では、青紫の小菊のような花を一、二輪使うと、晩春から初夏の静かな季節感が出ます。

「茶花として使えるのか」「庭や鉢で育てられるのか」「切ったあとに水が下がらないか」。 この記事では、ミヤコワスレの育て方、開花時期、水揚げ、茶席での使い方をまとめます。

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ミヤコワスレはどんな茶花?

ミヤコワスレは、キク科の多年草です。 山野に自生するミヤマヨメナをもとに、園芸用に親しまれてきた花です。

花は小菊に似ています。 色は青紫、紫、淡紫、白、桃色などがありますが、茶席では青紫や淡紫を少量使うと落ち着きます。 花だけを見ると華やかですが、株全体は低くまとまり、葉も濃い緑で素直です。 そのため、派手に飾るより、一輪の向きと余白で見せる茶花に向いています。

  • 学名:Aster savatieri / Gymnaster savatieri / Miyamayomena savatieri とされることがあります
  • 分類:キク科
  • 別名:都忘れ
  • 花期:4月から6月ごろ
  • 性質:多年草
  • 使い方:庭植え、鉢植え、切り花、茶花

学名は資料によって表記が分かれます。 茶花の記事としては、園芸名のミヤコワスレ、和名の都忘れで覚えておけば十分です。

ミヤコワスレの育て方

ミヤコワスレの育て方で一番大切なのは、強い日ざしを避けることです。 日向で大きく育てる花というより、明るい半日陰で葉を傷めずに育てる山野草として考えると失敗しにくくなります。

茶花として毎年使いたい場合は、花を切りすぎないことも大切です。 株を弱らせない範囲で、形のよい花を少しだけ切ります。

置き場所

ミヤコワスレは、明るい半日陰に向きます。 午前中だけ日が当たり、午後は日陰になる場所。 または、木もれ日の入る庭が扱いやすいです。

真夏の強い西日は避けます。 葉焼けしやすく、鉢植えでは乾きすぎて株が弱ることがあります。

庭植えにする場合は、落葉樹の下や、建物の東側などが候補になります。 鉢植えなら、春は明るい場所で育て、暑くなったら風通しのよい半日陰へ移します。

用土

水はけがよく、少し湿り気を保てる土が向きます。 赤玉土、腐葉土、鹿沼土を混ぜたような、弱酸性寄りの草花用土が使いやすいです。

庭植えでは、水がたまりやすい場所を避けます。 土が重い場合は、腐葉土を混ぜて、根が蒸れにくい状態にしておきます。

水やり

鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。 乾燥に弱いので、春から初夏の生育期と夏場は水切れに注意します。

庭植えは、根づいた後は雨に任せられます。 ただし、晴天が続いて土が乾く時は水を与えます。

過湿もよくありません。 水をやる前に土の表面を見て、乾いているかを確認します。

肥料

肥料は多すぎない方が、茶花として自然な姿になります。 植え付け時にゆっくり効く肥料を少量混ぜます。

追肥は、春の芽出しのころと、花後に控えめに与えます。 真夏に株が弱っている時は、無理に肥料を与えません。

植え替えと株分け

鉢植えは、根が詰まってきたら植え替えます。 花後の5月から6月ごろ、または秋の涼しい時期が作業しやすいです。

株分けで増やせます。 花後に掘り上げ、数芽ずつに分けて植え直します。 分けた直後は乾かさないようにし、強い日ざしを避けて養生します。

ミヤコワスレの開花時期

ミヤコワスレの開花時期は、主に4月から6月です。 地域やその年の気温で前後します。

茶席では、5月の茶花として使いやすい花です。 春の名残を残しながら、初夏へ移るころの涼しさも出せます。

切るなら、咲き始めから七分咲きくらいが扱いやすいです。 開ききった花だけを使うと、席中で傷みが目立つことがあります。

ミヤコワスレの水揚げ方法

ミヤコワスレを切り花として使う場合は、水切りと深水で落ち着かせます。 茎は強い枝ものではないので、叩きすぎたり、無理に割りすぎたりしない方が扱いやすいです。

水揚げの手順

  1. 朝の涼しい時間に切ります。
  2. 花入に入れる長さより少し長めに切ります。
  3. 水の中で茎を斜めに切り戻します。
  4. 水に浸かる下葉を外します。
  5. 深めの水に30分ほど入れて、花と葉を落ち着かせます。
  6. 花入に入れる直前に、向きのよい花を選びます。

花に直接強く水をかけると、花弁が乱れることがあります。 葉と茎を整え、花の顔を見てから花入に入れます。

茶席でのミヤコワスレの使い方

ミヤコワスレは、たくさん入れるより、少なく入れる方が茶花らしく見えます。 花が小菊状で整っているため、数が多いと園芸花の印象が強くなります。

一輪、または二輪を選び、葉を少し残します。 花の顔は正面に向けすぎず、少し斜めにします。 葉が混み合う時は、器口のまわりだけ整理します。

青紫の花は、竹花入、籠、焼き締めの花入と相性がよいです。 軽い花なので、大きな花入より、小ぶりな花入に余白を残して入れるとまとまります。

合わせやすい花入

  • 竹一重切
  • 小ぶりの籠
  • 焼き締めの花入
  • 掛花入

稽古の席では、庭で咲いた一輪をそのまま使いやすい花です。 正式な茶会では、流派や席の趣向に合わせて、使いすぎないようにします。

ミヤコワスレに似た花との違い

ミヤコワスレは、ヨメナやノコンギクなど、野菊の仲間に似た印象があります。 茶花として使う時は、花の大きさ、季節、姿の素直さで選びます。

比較項目 ミヤコワスレ ミヤマヨメナ ノコンギク ヨメナ
花の形 小菊状で整う 野趣があり素直 野菊らしい素朴さ やわらかい野菊の印象
開花期 4月から6月ごろ 春から初夏 秋ごろ 秋ごろ
茶席での印象 晩春から初夏の静けさ 山野草らしい自然さ 秋草の趣 秋草の軽さ
扱いやすさ 鉢植えでも扱いやすい 入手性は場所による 庭や野に近い雰囲気 野趣を生かす

ミヤコワスレは、園芸花として育てやすい一方で、花色が強い品種もあります。 茶席では、色が濃すぎるものや花数の多いものを避け、控えめな株から選ぶと落ち着きます。

春から初夏の茶花として一緒に使いやすい花

ミヤコワスレと同じ時期の花を知っておくと、茶席の取り合わせを考えやすくなります。

春から初夏の茶花をまとめて見たい場合は、茶花の開花期一覧 も参考にしてください。

まとめ

ミヤコワスレは、4月から6月に咲く春から初夏の茶花です。 育て方の中心は、強い日ざしを避け、明るい半日陰で乾かしすぎないことです。

茶席では、青紫の小菊状の花を一、二輪使うと、5月らしい静かな季節感が出ます。 切り花にする時は、水切りをして深水で落ち着かせてから使うと、花姿を保ちやすくなります。

派手に見せる花ではありません。 庭の片隅で咲いた一輪を、余白を残して入れることで、都忘れらしいやさしい趣が出る茶花です。

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