10月は、秋草の花だけでなく、ススキの穂やムラサキシキブの実も茶席の候補になります。このページでは、サイトの開花期一覧で10月に印がある植物と、10月の記事に分類された植物を照合しました。花の見せ方ごとに記事カードを並べたので、姿を見ながら選べます。
ただし、月別の印は「10月中ずっと咲く」という意味ではありません。個別記事と時期が食い違うものは最後に分けています。9月の茶花・11月の茶花・12か月の開花期一覧も併せてご覧ください。
10月に花を楽しむ茶花

花の形や向きを見せる
シュウメイギクの軽い花、リンドウの上向きの花、フヨウの一日花では、茶席で見せたい姿が異なります。カワラナデシコとマツムシソウも含め、まず写真と花の向きを比べてみてください。
白や淡桃色の花を、細い茎ごと見せたいときに。

青紫の筒形の花を選びたいときに。日差しによる開き具合も確認します。

大きな一輪を使うなら、咲いている時刻が茶席に合うかを先に見ます。

細く裂けた花弁と、軽い茎葉を見せたいときに。

丸い花と細い茎の釣り合いを見たいときに。

淡紅色の小花が集まる面と、厚い葉を小さく見せたいときに。

小さな花を近くで見る
この組は、花数を増やすより、形や模様が見える一枝を選びたい茶花です。ホトトギスの斑点、オケラの苞、シモバシラの片側に並ぶ花、シュウカイドウの花と葉を比べられます。
斑点のある花を、近くで静かに見せたいときに。

花の下から伸びる、魚の骨のような苞も見せたいときに。

片側へ並ぶ小さな白花を使いたいときに。冬の氷の現象とは別です。

淡桃色の花に、左右の形が異なる葉を添えたいときに。

白い星形の花にある点模様を、近くで見せたいときに。

地域によって10月まで咲く淡紅色の小さな野生ラン。自生株は採らず、切るなら十分に育った栽培株から。

細い花穂と茎の線を生かす
同じ「穂状」でも、色も太さも異なります。花入との釣り合いを見ながら、長い枝をそのまま使うか、花の付いた部分を小さく選ぶかを決めます。
淡紫の花房から使う部分を選び、長い茎の線を残したいときに。

片側へ並ぶ青紫の筒形花と、細い茎の動きを見せたいときに。

淡紅色の小花が並ぶ細い穂を見せたいときに。

暗紅色の小さな花穂を、点のように効かせたいときに。

白や淡紅の穂状の小花と、色づいた茎を使いたいときに。

細い茎に散る紅白の小花を、余白のある花入に添えたいときに。

黄色い細花穂を選びたいときに。実が付き始めているかも確かめます。

10月後半・品種によって候補になる花
次の花は「10月ならいつでも咲く」とは考えず、地域・品種・その年の開花状況を確かめてください。
艶のある葉と黄色い花を合わせたいときに。秋の後半から初冬が中心です。

咲き始めの一輪を探すなら、品種と地域の花期を確認します。

ノコギリソウは個別記事で主な花期を6~9月、園芸種では10月までとしています。庭の株に花が残る場合の候補です。

ハマギクも開花期一覧の10月欄に載っています。環境省・東北地方環境事務所の10月の記録には開花例がありますが、このブログにはまだ個別記事がありません。記事カードは作れないため、花の写真や茶席での扱いを確認できる記事を作成後に追加します。
花以外を見せる10月の茶花

10月の候補を「咲く花」だけで数えると、穂と実ものを見落とします。ススキは穂の線、ムラサキシキブは紫の実、ジュズサンゴは赤い実が主役です。ムラサキシキブの花期は初夏なので、実の時期と混同しないようにします。
秋の風や季節の深まりを、穂の動きで見せたいときに。

花ではなく、色づいた紫の実を一枝使いたいときに。

赤い小粒の実を軽く見せたいときに。白い小花が同居する枝もあります。

環境省・新宿御苑の秋の案内にも10月のススキとムラサキシキブの実が掲載されています。林野庁のムラサキシキブ解説は夏の花と秋の実を区別しています。
開花期一覧の10月印は要確認の花

開花期一覧には、ミソハギにも10月の印があります。ただし、個別記事では主な花期が10月より前です。10月の定番として勧めるのではなく、一覧と記事の時期に食い違いがあるものとして記しておきます。
ミソハギの個別記事は主な花期を7~9月としています。10月に使う場合は、実際に花が残るかを確認してください。

10月の候補を選ぶときは、一覧の印だけで決めず、花・穂・実のどこが見頃かを確かめてください。切り花にする前には各カード先の記事で水揚げも確認できます。国立科学博物館のリンドウ解説のように、花期に数か月の幅を持たせた資料もあります。月の境目では、その土地の株の状態を優先するのが実用的です。


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